えっ?「味ご飯」って言うのは三重県人だけやったん?

2017.9.20

「つづきは三重で」市民記者

【取材】きくちゃん

ーーー今日の我が家の夕食は「味ご飯」です。

味ご飯

三重県民の皆さん好きですよね!「味ご飯」!
そんな「味ご飯」実は県外では全く通じないってことご存じでしょうか?
他県の人は「味ご飯? それってチャーハンのこと?チキンライスもそうでしょ?」
と言う感じで 味ご飯=味がついてるご飯になるそうです。
標準語でいう炊き込みご飯。これを味ご飯と呼ぶ理由は 、昔は醤油屋さんのことを味蔵と呼んでいたことに由来するともいわれています。(諸説あり)
味ご飯 は三重県(東海地方)独特の方言だそうですが、 私自身もずっと標準語だと思っていました。
なんの違和感もなく使っていた言葉が県外では通じない事にびっくりです。
そんな三重県民が日本共通だと勘違いしている「味ご飯」を紹介したいと思います。

ーーー三重県には各地に存在するいろんな「味ご飯」。

全国的にいう「炊き込み御飯・かやくご飯」の代表的な具材 は鳥ですよね。
調べてみると三重県には地域独特の味ご飯があるんです。
・アワビご飯
・ウニご飯
・牡蠣ご飯
・蛸飯
・あさり時雨ご飯
・松阪牛のすき焼き飯
などなど。

ーーー三重県に住みながら、知らないものもある。せっかくだから作ってみよう!

早速、いろいろな味ご飯にチャレンジしてみました。
アワビご飯
まずは 「伊勢せきや」のアワビご飯。
母が 「せきやさんね!」 と喜んでいました。
ごはんをよそうと磯の香りがします。
とても上品なお味。
うに飯
続いてウニご飯。
しっかりウニの味、香りがして ウニ食べてる〜とリッチな気分に。
トッピングの海苔もとても合います。
この辺りまでは比較的メジャーな「味ご飯」。
お食事処で食べることができたり、炊き込み御飯の素がスーパーやお土産物屋で売られてたりしています。
三重にお越しの際は、ぜひご賞味ください。

ーーーまだまだあります! 三重ならではの「味ご飯」のレシピ紹介!

■魚ご飯レシピ
多くの漁師町が点在し、漁業が盛んな東紀州地域のお袋の味、「魚ご飯」。
三重県津市生まれの私もこの「味ご飯」の存在は知りませんでした。
東紀州で「味ご飯」といえば、この「魚ご飯」になるようです。
<材料>(2〜3人分)
お米    2合
魚(白身) 100グラム
醤油    40cc
酒     40cc
水     適量
青ネギ   適量
<作り方>
・炊飯器にお米、醤油、酒を入れ、炊飯器のメモリ(2合)まで水を入れる。
・魚は米の上にのっける。だいたい1センチ角くらいに切る。
・普通に炊く。(早炊きは厳禁)
・炊きあがったら刻んだネギを混ぜる。
魚はカンパチ、タチウオ、アジなどでもいいそうです。
鯛
私は半量で 、鯛で作ってみました。
切って入れるだけ。
炊き上がりにネギをたっぷり乗せて混ぜます。
炊飯器
魚ご飯
漁師の味ご飯とでも言うのでしょうか。
無駄な物が入っていなくて 素材の味が生きています。
こんなシンプルな「味ご飯」は初めてです。
栄養満点で魚が苦手なお子さんをお持ちのお母さんにもオススメです。
これならスーパーでお買い得な魚を買うだけでメインができますね。
次は違う魚で作ってみたいと思います。

■松阪肉の「味ご飯」レシピ。

三重県といえば、「松阪牛」。
日本三大和牛の一つで、松阪牛個体識別管理システムの対象地域で肥育された、未経産の黒毛和種の雌牛だけが松阪牛と呼ばれています。
この松阪肉「肉の芸術品」の異名を持っています。
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★松阪肉の味ご飯材料
松阪肉の味ご飯
牛肉を入れる味ご飯も珍しいのですが、今回は松阪肉の味を充分に楽しむため、贅沢にシンプルな材料にしました。
<材料>(2〜3人分)
お米    2合
松阪肉   150グラム
日本酒   大さじ1
みりん   大さじ1
醤油    大さじ2
水     適量
三つ葉   適量
<作り方>
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★松阪肉150グラム
まず 松阪肉150グラムを切ります。
贅沢な味ご飯なので少し大きめに切っちゃいましょう。
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★松阪肉味付け
熱したフライパンに切った松阪肉、酒大さじ1杯を入れ吸わせます。
次にみりん大さじ1、醤油大さじ2を入れ肉を炒めます。
すっごくいい匂い~。
つまみたいけど 我慢、我慢。
火を止め冷ましておきます。
その間にお米2合をといで水を切っておきます。
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★松阪肉の味ご飯炊飯前

炊飯器にお米を入れ牛肉を煮た煮汁を加え混ぜます。炊飯器のメモリ(2合)まで水を入れ、牛肉を乗せ炊飯スター!

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★炊き立て炊飯器松阪肉の味ご飯
炊飯器を開けると 柔らかそうなお肉。
甘くて優しい香りです。
三つ葉を混ぜて完成。
三つ葉の良い香りもしてきました。
茶碗に盛り付けて・・・。
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▲これが松阪肉の味ご飯
いただきます!
東京生まれ東京育ちの夫は「松阪牛ってこんなに柔らかいんだね~。普通の牛肉だったらこんな風にはいかないよなぁ。」と惚れ惚れしていました。
まさにその通り!

ーーーびっくりするくらい柔らかく、お肉の味を感じられるんです。

さすが松阪肉。
松阪牛をはじめ、和牛の肉の脂肪は体にも良いとされています。
松阪肉の味ご飯を作る際に調べたのですが、普通牛肉を入れる味ご飯はゴボウを入れて香りを出すのが主流のようでした。
でも松阪肉だったら絶対シンプルなレシピがいいです。
メインになるので後のおかずは、お豆腐とお吸い物で十分なんじゃないかな。
三つ葉も忘れずに!

■牡蠣と生姜の「味ご飯」レシピ

お次は旬の時期には1度は作っておきたい牡蠣ごはん。とても美味しそうな牡蠣は鳥羽にある安楽島(あらしま)で採れたものです。
お店のおばちゃんが「採れたてだからすっごく美味しいわよ~」と言っていたから間違いないです。
三重県の牡蠣の生産量は、全国で7番目になります。
東海地方では伊勢志摩の牡蠣は有名でシーズンになると食べ放題に行ったりする方も多いんじゃないかと思います。

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▲牡蠣と生姜の味ご飯の材料
<材料>(1人分)
お米    1合
牡蠣    150グラム
生姜    40グラム
だし汁   150cc
しょうゆ  大さじ2
酒     大さじ1
みりん   大さじ1
ネギ    適量(今回は北伊勢ねぎを使用)
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▲牡蠣水洗い
まずは 牡蠣1パック(150グラム)を流水で3回降り洗いをしてザルで水切りします。
生姜40gはみじん切りに。
お米1合をとぎ少なめ水位で30分ほど浸水させます。
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▲牡蠣味付け
鍋にだし汁150cc、醤油大さじ2、酒大さじ1、みりん大さじ1を入れ沸騰したら生姜と牡蠣を入れて3~4分煮ます。
牡蠣がぷくっとしたら火を止めてザルで汁と具に分けます。
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▲煮汁と牡蠣

ーーーこの牡蠣エキスの汁が美味しさの秘密ですね!

いい香りがしキッチンが料亭のようです。
炊飯器に水を切ったお米と煮汁を入れ1合のメモリになるように水を加えて混ぜます。
炊飯器のスイッチをオン!
ピピーピピーピピー!
炊けました。
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▲炊き立て牡蠣と生姜の味ご飯
ご飯を混ぜ、生姜、牡蠣を入れ数分蒸らして、さっくり混ぜ合わせて完成です。
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▲牡蠣と生姜の味ご飯できあがり

ーーー見てください! このぷくっとした美味しそうな牡蠣。

いただきまーす。
生姜の香りもよく上品でねぎもよく合います。
口に運ぶたびふわっと香る磯のかおり。
牡蠣もぷりっとしていて、私こんな美味しい牡蠣の味ご飯食べたの初めてです。
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▲お茶漬けも美味しい。

締めはお茶漬けに。

この味は絶対お茶漬けに合うなと思っていました。
やっぱり、正解!
これまた違った牡蠣の味ご飯を楽しめます。
少しねぎを足すといいですね。
さらさらっといただけて締めにはぴったりです。
食べ終わった後 美味しかったね~と口をそろえて言うはずですよ!
牡蠣は炊き込むと縮んでしまうかな?と思っていましたが あまり縮まないでぷりぷりでした。さすが海のミルク!口の中に磯の香りが広がります。
的矢牡蠣や畔蛸の岩牡蠣などをはじめ、牡蠣養殖の産地である三重県。
新鮮で美味しい牡蠣が採れるからこそ生まれた「味ご飯」ですね。

ーーー三重県民が口にする「味ご飯」。

同じ三重県内でも、地域、地域のおふくろの味があります。
三重県各地に存在する地元の特産品から生まれた「味ご飯」
地元で獲れた食材を地元の人々が料理して、食べる。
地元に根付いた料理だからこそ、世代を超えて愛されてきたのでしょう。
主婦としては炊飯器に入れて炊けるのを待つだけ!と簡単なものなのに
食卓のメインになるくらいの美味しい「味ご飯」
毎回、炊飯器の蓋を開けるのがとても楽しみですよね。
そうそう、おこげがまたいいんですよね。
それを家族みんなで 「おいしいね。」って言いながら食べる。
本当に「味ご飯」っていいなあ。