アメリカ帰りのイケメンが移住先に選んだのは漁村だった。

2016.11.18

「つづきは三重で」市民記者

海辺での立花さん
【取材】福田ミキ

 

三重県南部に位置する紀北町に
ナイスな移住ガイがいると聞き、
直撃してきた。

 

———紀北町とは

東紀州の玄関口で、
周囲は海と山で囲まれている
人口約16,000人の小さな町。

 

最寄り駅は紀伊長島駅。

 

名古屋から
電車で約2時間(JRの場合)。

 

車であれば、
約1時間40分でたどり着く。

 

意外と近く感じるのは、
2014年に全面開通した紀勢自動車道のおかげ。

 

紀北町

 

マンボウの街としても知られていますね。

 

———アメリカ帰りのイケメン登場

時刻は朝9時。

町内の喫茶店で噂のガイ 立花 圭さんと待ち合わせ。

 

ぬぉ! イケメン。

最近、イケメンに会うとむずむず知りたくなる、
「イケメンですよね??」と言ったときの反応。

 

-立花さん・・・イケメンですね??
立花さん:ははっ(笑)。

立花さん

 

言葉で否定するわけではなく、
謙虚に首を横に振りながら、素敵な笑顔。

 

こりゃナイスなガイに間違いなし。

 

立花さんの奇妙な経歴を
ざっくり並べると、
岩手→埼玉→アメリカ→チェコ→埼玉→アメリカ→三重紀北町

紀北町にはもう7年。

 

———なぜに紀北町??移住の経緯を伺う

立花さんの生まれは岩手
小学校からは埼玉で育った。

 

関東に便利さを感じながらも、
居心地が良いのは岩手で、
まとまった休みには
必ず岩手の祖父の家へ行き、
自然の中で遊ぶことが大好きだったそう。

 

大学でアメリカへ渡り、
卒業前のインターンシップにて、
たまたま条件が合致したこの紀北の民宿にやって来た。

インターンシップ先の民宿「紀伊の松島」
▲インターンシップ先の民宿「紀伊の松島」の若大将、大西孝政さんと

合致した条件とは何だったのですか?

立花:魚と伊勢えび。海外生活でおいしい魚が恋しくて。正直、行き先にこだわりはなかったです。

って、夕飯のメニューを選ぶようなライトな理由。

 

———当時名古屋より西には来たことはなかった

自称あまのじゃくの若き立花少年は、
自然に囲まれて
事前情報がなかった紀北町に
冒険心がうずいたのだろう。

 

いざ来てみると、
日本の原風景が随所に感じられる街並みと、
岩手に似た地形、
温かく受け入れてくれる人たちに魅了された。

 

東京での就職も考えたが、
紀北町に戻ってきたのがその証拠。

 

———現在の仕事は企画・営業・わくわく

観光協会勤務を経て、
株式会社ディーグリーンという企画デザイン会社に入社。

海の目の前にある事務所
▲海の目の前にある事務所

ディーグリーンの代表も海外からのUターン組で、
広い視野とスピード感がある会社。

 

地域課題にも積極的に取り組んでおり、
地元の駆け込み寺的存在。

 

現在、立花さんが担っている事業は、
地元の水揚げされた魚を調理・加工した
離乳食材の通販”mogcook(モグック)”

行動原則に「キラキラ」とあるのがまたイイ
▲行動原則に「キラキラ」とあるのがまたイイ

サービスを通して食文化を伝えたいと模索中。
※mogcookをはじめとする同社の取り組みは、通販という異業種への参加など、魚食文化の振興を図る新たな事例として、伊勢志摩サミット三重県民会議が主催した海外プレスツアーをはじめ、さまざまな場面で紹介されています。

職場のスタッフは、立花さん以外全員女子
▲職場のスタッフは、立花さん以外全員女子

———ところで、紀北町って不便じゃないですか??

立花さんは
不自由はないという。

 

立花:買い物はネットでもできるし、食べ物は旬のおいしいものをお裾分けで頂ける。遊び場は自分の工夫次第でいくらでも楽しめますから。

 

土地が変わると、アンテナが鍛えられ、あるもの探しが上手になりますよね♪

それってとても楽しいこと

そもそも
何もないという””ってなんだろう。

 

おしゃれなショッピングモール?
大きなスーパーマーケット?
エンターテインメント施設?

 

うーん、あったら便利だけれど、
絶対必要というわけではない。

 

紀北町の方がよほど”何か”が「ある」気がする。

 

その感覚で考えてみると、
都会って実は何もないんじゃないかな。
と思ったり。

 

———でも聞きます。あえて言うならコレがあったら・・・と思うものは?

しばらく考える立花さん。

 

出てきた答えは、
夜遅くまで仕事ができる「ファミレス」とのこと。

 

確かに、集中できる”第3の居場所”は大事。

私もボーっと浸れる夜カフェが欲しい・・・。

 

———実はDJとかやってる立花さん

え、ここで?! と思うのだけれども、
音楽好きが高じて始めたそう。

紀北町で野外フェス
▲紀北町で野外フェス


———地域暮らしの面白さって何ですか?

立花:規制が少ないので、ゼロから自分たちでイベントを作っていけることですかね。
夏には川遊びのプロを招き、魚を捕ったり五右衛門風呂を作ったり。
秋には中秋の名月に、月明かりで影絵をしたり。
手作りのお化け屋敷も盛り上がりました。

大漁だぁ!!
▲大漁だぁ!!

立花:自然の中で季節を感じる遊びが好きです。

―私も三重に来て季節を感じることが増えました。食べ物のこだわりも豊かですよね。お米を例に挙げても、「新米が出た」とか、「ここの米しか食わん」とか。夏に天然の鰻を初めて食べさせてもらったのですが、「これを食べたら養殖には戻れん。禁断のリンゴと同じや!」と脅されました。

立花:あ、僕もお米は直送してもらっています(笑)。

 

 

———ぶらぶらと紀北町を案内してもらいました。

漁村集落は、家が密集しているのが特徴。

山と海に囲まれ平地が少ない
▲山と海に囲まれ平地が少ない

家の会話や野球中継の音、魚を焼く匂い・・・。

住民の”気配”を感じられる街並み。

このように狭い道を「合(あい)」というそう
▲このように狭い道を「合(あい)」というそう

干物店が軒を連ね、晴れた日には、天日に干された干物が並ぶ。

この日は小雨だった為、店頭にはノー干物
▲この日は小雨だった為、店頭にはノー干物

老舗蒲鉾店「又吉屋」で買い食い。
おいしさの秘訣は石臼で練ることだそう。

おすすめは玉ねぎ天
▲おすすめは玉ねぎ天

県内有数の漁獲量を誇る長島港。

船が大きい!拡声器通した雑談が聞こえてきた。話題はサメ
▲船が大きい!拡声器を通した雑談が聞こえてきた。話題はサメ

市場にはカツオや伊勢えびなどの海の幸が集まる。

「いつかで音楽イベントをやりたいのです」
と語る立花さん。

堤防に映像を映し出すイメージだとか
▲堤防に映像を映し出すイメージだとか

山・川・海がそろっている紀北町。

山にかかる雲
▲山にかかる雲が神秘的。拝んでおこう。

悩み事がある時は、
よくこの海に来ていたそう。

傘をさしてでも海辺でまったりしたいようだ
▲傘をさしてでも海辺でまったりしたいようだ

砂利浜で水がきれい。

 

至る所につぶれた

家や事務所内にも神出鬼没らしい
▲家や事務所内にも神出鬼没らしい

いちいちかわいい。

もう何年もこの状態から動いていないとか。
▲もう何年もこの状態から動いていないとか。

すれ違い様にあいさつを交わすのが当たり前の文化。

立花:地域にいると、人や生き物の気配がたくさん感じられます。
感覚が研ぎ澄まされますよね。

 

———立花さんといると感覚が冴え、世界がとてもカラフルに見えます。

-ちなみに今の気分にを添えるとどんな曲ですか?
立花:ちょっと待ってくださいね。

スマホで選曲する立花さん
▲スマホで選曲する立花さん

選んでくださった曲は、
浮遊感があるとても心地よい洋楽。

霧がかった窓の眺めと、
屋根から響く雨音を表現したのだそう。

あ~浸りたい。。。

立花さんも紀北町に来た当初、
地元の方々から街歩きの楽しさを学んだそう。

立花:帰属意識や、自分の生まれ育った土地や家、墓を守り、
ルーツを大切にしている心も日本人らしくて好きです。

 

街の歴史やストーリーを知ると、
その場所に想いが入る。

 

私も立花さんに案内してもらい、
この街の面白みを随所に感じた。

「近道なんです」とみかん畑の小径を入る立花さん
▲「近道なんです」とみかん畑の小径を入る立花さん

―――今日1日で紀北愛を感じました。これからもずっと紀北町で暮らす予定ですか??

立花:将来は分かりません。
これからも自然の成り行きで
行き着く所に行ければいいと思っています。
そのためにも
ポータブルな”生きるスキル”を身につけなくてはと
思っています。

 

———プロフェッショナルばりに聞いてみた「立花さんにとって移住とは何ですか?」

立花:好きなものや居心地の良いものに忠実になった結果ですかね。
実は移住したという感覚はないのです。

 

-狙ってない感じですね。

立花:そうなんです。
巡り合わせ
プリミティブというか
滞りなく身軽に生きていたら、
思いもよらない展開になってきました。

 

-知らぬ土地も、人とつながりができた時に居場所になりますよね。
執着はないですか?

立花:執着はないけれど、故郷のように思っています。
これからも大事にしたい場所です。
たまたまたどり着いたけれど、
今は選んで住んでいる場所なので、
この暮らしをもっと良いものにしたいと思っています。

 

すごくを生きている立花さん。

 

私の周りにも、
”なんとなく”の流れで移住した人がとても多い。

 

なんとなく降りたバス停がここだった・・・
なんとなく遊びに来たつもりがいつの間にか働いていた・・・
なんとなく居着いちゃった・・・
とかとか。

 

一見自由で遊び人なのだけど、
遊びが仕事で、仕事が遊び。

 

だからいつでも全力

 

選んだその土地で
自分のできることを考え、
広い視野で
地域の課題に取り組む。

 

人とつながり、
地域に必要とされる存在になることで、
居心地のいい場所になっていくのじゃないかな。

 

 

———最後に道の駅 紀伊長島マンボウにて・・・

”立花セレクト”で
紀北町のお土産をたくさん頂きました。

かつを生ぶし、うつぼの唐揚げ、はらも燻製、うるめ丸干しetc・・・
▲かつを生ぶし、うつぼの唐揚げ、はらも燻製、うるめ丸干しetc・・・

 

立花さんのマイルドトークと
非日常の紀北町に
頭も心もすっかり持っていかれました。


紀北町に興味を持った方は、ぜひ、

つづきは紀北町で」をご覧ください!

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