
【取材】yusuke.murayama
2014年5月に公開された映画「WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~」(矢口史靖監督)の舞台、津市美杉町。
同作は、大学受験に失敗した東京育ちの主人公が、偶然に手にしたパンフレットに導かれ、携帯電話もつながらない山奥の神去村で林業に従事する姿を描く”青春林業エンタテインメント”だ。
※原作は直木賞作家・三浦しをんさんの小説「神去なあなあ日常」。
平成18年に合併する前は美杉村だった。
周囲を山に囲まれ、西は奈良県に接している。
美杉は、星がきれいで、水がきれいで、空気もおいしく、人が温かい山里の村。
この山里の村にあるさまざまな移住のカタチと、地場産業の可能性とは?
―――滞在型市民農園、城山クラインガルテン。二地域居住で非日常のような日常を味わえる。
奈良県の曽爾高原を背にたたずむ、美杉の城山クラインガルテン。
クラインガルテンとは、ドイツ語で「小さな庭」を意味する。
「ラウベ」と呼ばれる畑(菜園)付きの住居小屋が借りられる。
この施設を運営する水本さんに話を伺った。
利用者は、主に名古屋や大阪との二地域居住者が多く、仕事をリタイアした夫婦層が多いという。
水本:中京圏や近畿圏から自動車で2時間くらいの場所にあるので、「都市部から離れられないけれど、ちょっと遠くで田舎暮らしがしたい」という人たちがこぞっていらっしゃいます。
定年後に移住する人、週末だけ別荘として利用する人など、過ごし方はそれぞれ。
居住者は、
「何もないのが良い。何気ない田舎の景色が良い。来てホっとする」と絶賛。
水本:とはいえ、皆さん本気で菜園に取り組んでいる方ばかりです。
実際、10年以上も暮らしている方が何組もいるという。
ラウベを見せていただいた。
中には暖炉、外には菜園があり、都市部の喧騒を離れゆっくりと自分の時間を過ごせそう。
しかも美杉は、山里の村とはいっても、少し車を走らせればスーパーもコンビニもある。
美しい自然に囲まれながら不便なく暮らせる、美杉での二地域居住。中京圏、近畿圏からの”近移住”に最適な場所が津市にあった。
―――大洞菜園。元ラーメン屋のご主人が、120~130品目の野菜をウェブで通販。
わずか4戸の超限界集落、大洞(おおぼら)。
その大洞で菜園を営む、實田(じつた)悟さんを訪ねた。
實田:わしは自然が好き! ここから見える山は全て踏破した。でも海は嫌いや。泳げへんからな~。船で釣りには行くけどな! ガハハハ!
大洞菜園の歴史は古く、太平洋戦争後に行われた、政府の戦後開拓事業にさかのぼる。
戦後の食糧難のため、政府は開拓団を美杉の大洞地区に送り込み、ただの山だった大洞を開拓し、農園を作った。
今でも美杉の高齢者の中には、大洞地区のことを「開拓」と呼ぶ人がいるそうだ。
しかし、高齢化や担い手不足により、近年は経営の危機に陥っていた。
その状況を目の当たりにした實田さんは、”せっかく開拓団が創り上げた農園を放っておいたらダメになる。”と一念発起。農園を引き継いだという。
大阪から移住し、美杉でラーメン屋を営んできた實田さんの農園再生生活が始まった。
實田:高齢でたくさんの大根を出荷するって、体力的にとてもじゃないけれどできない。お得意さんからは、少しの量でも育ててほしい野菜のリクエストもあるし、今までのやり方を変える必要があった。
實田さんは、農園を引き継ぐと、農法を ”少品種の大量生産” から ”多品種の少量生産” に変更し、さらに販路をインターネットに絞った。必要から生まれた商売の方法だった。
インターネットによる販売は軌道に乗り、今では、都市部のホテルやレストラン、また全国から個人客のリピーターも多いという。

大洞は、一日一年の寒暖差が激しく、糖度の高い野菜が生産できるという。農業には適した土地。
名古屋や京都から大洞菜園に興味を持つ若者が、定期的に訪れているという。
農業や自然に興味のある都会の若者にとって、理想的な働き場所なのだろう。
この農園では、お昼ご飯も大皿料理をみんなで食べるという。

こんな大自然の中で食べるお昼ご飯はおいしいに違いない。
スタッフ 喜多村:でもあれね。遠慮してたら食べ損ねちゃうからね(笑)。
喜多村さんも東京、大阪、奈良を経て美杉にやってきた移住者。
美杉に来る前は、田舎にイメージしがちな密な人間関係に気を遣うことが苦手だったという。
しかし、
スタッフ 喜多村:移住する前に大洞ってどんなしきたりや習慣があるのか、確かめたの。でもね、人が少な過ぎてそんなの心配なかったわ(笑)。
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これが、今回取材した美杉にあった移住のカタチ。
↓この記事もご覧ください。
映画WOOD JOB!の舞台でGOOD JOB!? ロケ地「美杉」のディープな魅力と移住のそれぞれのカタチ。〔Ⅱ〕
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