大自然でリフレッシュ!三重県ならではのアクティブレスト3選

2021.10.8

旅行大好き ぐーたらライター 宮崎優子

「アクティブレスト」とは、疲れたときにあえて軽く体を動かすことで効率よく疲労回復を図る休養方法のこと。楽しみながら心身共にリフレッシュできることから、最近注目されている休日の過ごし方です。三重県には、豊かな自然も満喫しながら、サイクリングやトレッキング、アウトドアヨガなど「アクティブレスト」を実践できる施設がいっぱい。その中から、オススメのスポットを3件ご紹介します。 

フィットネスも楽しめるキャンプ場「かぶとの森テラス」(亀山市)

「かぶとの森テラス」は、亀山市の西端、鈴鹿川源流にある美しい自然に囲まれた加太(かぶと)という町に2018年オープンしたアウトドア施設。「非日常でアクティブレストに過ごせる休日」をテーマに、キャンプのほか、トレイルランやロードバイクなど、地域の特性を生かしたアクティビティやフィットネスも楽しむことができて、心身ともにリフレッシュできると人気です。

売店などがある管理棟
施設周辺には、のんびり景色を楽しめるコースから、山の起伏を生かした上級者向けのコースまで、さまざまなサイクリングコースが用意されています(写真提供:かぶとの森テラス)

なぜ、「かぶとの森テラス」でアクティブレストを提唱するようになったかをマネージャーの森(もり)めぐみさんにうかがいました。

◇「かぶとの森テラス」は周辺の自然を生かしたキャンプ場なんですね。
森さん「『かぶとの森テラス』を運営する亀山市の『三栄林産株式会社』は、三重県産の木で家を建てたり家具を作っている会社です。以前から、もっと多くの人に三重県の木材について知ってもらって、かつ、人口1000人程度の小さな町・加太町を活気づけるようなことが出来ないかと考えていました。そこで、町にある豊かな森林を生かしたアウトドア施設を作ろうということになったんです」

マネージャーの森さん

◇なぜテーマを「アクティブレスト」にされたんですか?
森さん「純粋にキャンプを楽しむ施設でもよかったのですが、それだけだと面白くないかなと。もっとこの森林の魅力を伝えられる方法があるはずだと考えていたとき、たまたまアクティブレストについて耳にする機会があり、すぐにコレだ!と感じました。大自然の中で、時間を忘れて遊んだり体を動かすのって最高に贅沢で癒やされますよね。自然を満喫しつつ、キャンプもフィットネスもどちらも楽しめる施設があってもいいんじゃないかと思ってスタートしました」

亀山市の中心地から少し移動するだけでこんなに素晴らしい自然が満喫できます。

◇施設内のエリアやアクティビティについて教えてください。
森さん「キャンプ施設はオートキャンプサイトや自由にテントが張れるフリーサイト、ソロキャンプ用の野営サイトの他に、コテージを6棟完備しています。アクティビティについては、ランニングやヨガをはじめ、ロードバイクやトレッキング、トレイルランなども楽しめますし、定期的にフィットネスイベントも開催しています。

初心者や家族連れに人気のオートキャンプサイト(写真提供:かぶとの森テラス)
ソロキャンプ用の野営サイトもあります(写真提供:かぶとの森テラス)

◇どういった層の方々が来られるんですか?
森さん「ファミリーから高齢のご夫婦など、客層はすごく幅広いですね。施設の場所が名阪国道『南在家(みなみざいけ)』ICからすぐとアクセスが良いので、週末に仕事を終えて、そのまま泊まりに来られたり、平日休みの方が日帰りでソロキャンプをに来られたりと、気軽に来られる方が多いような気がします」

◇「かぶとの森テラス」のオススメポイントは?
森さん「春の桜や秋の紅葉といった絶景はもちろん、夏は運が良ければホタルに出会えたりもしますし、冬は寒い時期ならではのピンと張りつめた澄んだ空気といった具合に、季節によって異なる、森の景色や雰囲気を楽しんでほしいですね。また、キャンプ用品のレンタルも充実しているので、初心者にはぴったりですよ」

年2回開催される人気のトレイルランイベント。今年は11月に開催予定。詳しくはHPをチェック(写真提供:かぶとの森テラス)

心も体もリラックス。森林の中で行うアウトドアヨガ

毎月1回行われる人気アクティビティの朝ヨガを体験させてもらいました!

教えて頂いたのはヨガインストラクターのマイコさん。普段は「かぶとの森テラス」のスタッフとして働いているそうです。

この森の魅力を知り尽くすマイコさんに連れられ、ヨガを行っているスポットに移動しました。

見て下さい!この見渡す限りの緑を!!眺めているだけで癒やされますね。

服装は動きやすければなんでもOK。ヨガマットのレンタルもあるそうです。

真夏なのに森の中はとってもひんやり。空気も澄んでいるので、大きく深呼吸しながら体を伸ばすととっても気持ちよかったです。実際の朝ヨガでは、初心者でも無理なくできる基本的なポーズを中心に、1時間ほどレッスンを行うそうです。
マイコさんにもいろいろお話をうかがいました。

◇森林ヨガの魅力を教えて下さい。
マイコさん「なんといってもこの開放感!木の葉の揺れる音や川のせせらぎがとっても気持ちよくて、自然の音を聞きながら無心になってヨガに打ち込めます。終わった後の爽快感や心地良さは格別ですね。この開放感と癒やしパワーは一度経験するとクセになりますよ」

森の中はとっても静か。川のせせらぎや鳥の声がBGMがわりに

◇どんな方が参加されるんですか?
マイコさん「意外と男性の参加も多いですね。このヨガイベントは予約なしでも、当日枠が空いていれば飛び入り参加OK。キャンプで一泊した朝に、面白そうだからと参加される人も結構多いんですよ。一回参加した人が森林ヨガの魅力にハマって、それ以来、毎回参加されているヘビーユーザーさんもいらっしゃいます。難しい動きやポーズはありません。キレイな空気を思いっきり吸い込んで、ゆったり体を動かすヨガは、リフレッシュにぴったり。ぜひ一度体験してみてください」

(写真提供:かぶとの森テラス)

話題の最新リゾート施設「VISON」(多気町)でお手軽トレッキング

2021年7月にグランドオープンしたばかりの、日本最大級の商業リゾート施設「VISON(ヴィソン)」。その中にある、木や森をテーマにした体験・体感型施設「kiond(キオンド)」。木や森の専門書・絵本を約1500冊も集めたライブラリーカフェがあり、本格的な工具を使った木のワークショップの他、建物に隣接して広がるアクティビティフィールド「kiondの森」ではさまざまな体験プログラムが用意されています。
その中でも、気軽に参加できて、無理のない範囲で体を動かせる「お手軽トレッキングツアー」は、アクティブレストにぴったり。支配人の上長野(かみながの)ゆみさんにお話をうかがいました。

右から支配人の上長野ゆみさんと、広報担当の山田真美(やまだ まみ)さん

◇お手軽トレッキングツアーの概要について教えて下さい。
上長野さん「kiondセンターハウスからスタートし、すぐそばにある二子池(ふたごいけ)のまわりを散策。森の中にあるシンボルツリーまで行って帰ってくる往復約1kmのコースで、アップダウンもあまりないので、トレッキング初心者やお子様も歩きやすい道になっています。距離自体はそんなに長くないですが、ありのままの自然を満喫しながら1時間ほどかけてゆっくり散策します」

たくさんの人で賑わう商業施設の中にあるとは思えない自然豊かなコース(写真提供:kiond)

◇本当に気軽に体験できそうなコースですね。
上長野さん「もっと難易度を上げることも出来たのですが、あくまで商業施設の中にあるので、この後にお買い物や食事することを考えて、歩きやすいコース設定にしました。ただ、出来る限り自然そのままの森の姿を残したかったので、人工的なものは置かず、散策道も手作業で開拓するなどして、自然に近い森林を体験していただけます」

◇ツアーの見所や楽しみ方のコツは?
上長野さん「森にはたくさんの草木があり、虫や動物がいます。どんな生き物に会えるかはまさしく一期一会(いちごいちえ)。ご自身のペースで写真を撮ったり観察したり、思い思いに自然を堪能するのが楽しみ方のコツですね。また初めて見る植物や生き物を見つけたら、ライブラリーカフェにあるさまざまな図鑑で、自分で調べてみるのも楽しいですよ」

見たことのない草木や生き物に出合えるのもこのツアーの魅力
一番の見所はkiondの森のシンボルツリーでもある榎(えのき)の大木。推定樹齢は400年くらい。太い幹や力強い根は圧巻の迫力です。

今後は上級者向けのツアーやナイトウォーク、またVISONの他施設とコラボした新しいプログラムも計画中とのことで、ますます魅力的なコンテンツが増えていきそうですね。

三重県初のE-bikeツアーで大紀町の海・山・川を巡るサイクリング

(写真提供:一般社団法人大紀町地域活性化協議会)

海と山に囲まれた大紀町の新たなアクティビティとして注目されているのが「E-bikeツアー」。E-bikeは電動アシスト付きのスポーツバイクで、サイクリング初心者でも坂道や長距離サイクルを楽にこなせるのが特徴です。大紀町では2019年から、このE-bikeを使って、地元の農林漁業体験民宿や立ち寄りスポットと連携した新たなサイクリングツアーをスタートさせています。大紀町の美しい景色を楽しみつつ、体験民宿での郷土料理づくりや交流を楽しんだりと、アクティブレストな休日が満喫できること間違いなし!このツアーを企画した、一般社団法人大紀町地域活性化協議会 事務局長の山添(やまぞえ)みゆきさんにお話をうかがいました。

◇なぜE-bikeを使ったサイクリングツアーを企画されたのでしょうか?
山添さん「大紀町では、地域活性化協議会が中心となり、2016年からインバウンドの誘客促進事業(ゆうきゃくそくしんじぎょう)を行っています。当初は台湾や中国などの東アジアが中心でしたが、消費拡大を見込んで、滞在期間が長い欧米の個人海外旅行者向けにターゲットを絞って観光コンテンツを作ろうということになり、フランスやドイツで人気の高いサイクルツーリズムに注目したのがきっかけです」

(写真提供:一般社団法人大紀町地域活性化協議会)

山添さん「ちょうどその頃、ツール・ド・フランスを見にフランスを訪れる観光客が、E-bikeに乗って山に入って観戦しているという雑誌の記事を目にして、すぐにコレだ!と思いました。当時、電動自転車というとシティサイクル型の電動アシスト自転車が主流でしたが、アップダウンが激しい中山間地域(ちゅうさんかんちいき)の大紀町では、スポーツ型のE-bikeが適していると思い、三重県では初めて導入を決定。実際に、欧米の方にモニター体験していただいたところ、非常に高い評価だったので、これは人気ツアーになると確信しました」

E-bikeならきつい坂道もラクラク。またアプリを使ってルート案内もしてくれるので、初めての人でも安心(写真提供:一般社団法人大紀町地域活性化協議会)

◇ツアーの見所や注目ポイントはありますか?
山添さん「大紀町の海・山・川・里山エリアごとに6つのコースがあり、四季折々の自然や観光スポット、名所・旧跡を巡ることができます。さらに、6コース全てに異なる『農林漁業体験民宿』でのランチ体験が付いていて、地元産の旬の食材を使ったグルメも楽しめます。例えば、川沿いの体験民宿では、川でとれたアユを串に刺して囲炉裏(いろり)で食べる体験、里山の民宿では、かまどでご飯を炊いたり、野菜の収穫をして天ぷらにしたり…。1年中いつ来ていただいても新鮮な驚きや感動が味わえますよ」

体験民宿には、かまどやピザ窯、囲炉裏などの設備もあり、民宿ならではのアットホームなおもてなしで迎えてくれます(写真提供:一般社団法人大紀町地域活性化協議会)

◇初心者にもオススメのコースはありますか?
山添さん「比較的アップダウンが少ない平坦な道を走行する『熊野街道大内山(くまのかいどうおおうちやま)コース』なら、初心者でも挑戦していただきやすいと思います。距離も20kmと比較的短いですし、途中で頭之宮四方神社(こうべのみやよもうじんじゃ)や『大内山ミルク村』などに立ち寄り、お土産も買えます。そのほかにも、大紀町を知り尽くしたエスコートライダーがガイドしてくれるツアーなので、地元民しか知らないようなコアなスポットに立ち寄ることもできるので、こちらもオススメです」

天然の洞窟「風穴」。こんなスポットもサイクリングの途中で立ち寄ることができます(写真提供:一般社団法人大紀町地域活性化協議会)

どのスポットも、自然を満喫しながらアクティビティが楽しめるだけでなく、初心者や普段運動することがない人でも楽しめる工夫が盛り込まれているのが印象的でした。三重県に訪れる機会があれば、ぜひ、自然を満喫しながらのアクティブレストに、チャレンジしてみてください。

■今回の取材先はコチラ
かぶとの森テラス
住所:亀山市加太中在家8125
電話:0595-98-0605
URL:http://kabutonomori.com/
kiond
住所:多気郡多気町ヴィソン672-1木育
電話:0598-67-4291
URL:https://kiond.com/
一般社団法人大紀町地域活性化協議会
住所:度会郡大紀町崎2154-1
電話:0598-74-2277
URL:http://taiki-okuise.jp/

三重県の取り組み紹介
三重県では、三重県が誇る海・山・川などの豊かな自然を「体験」という形で活かして、国内外から人を呼び込み、交流の拡大を図るとともに、地域の自然体験活動団体等における新たな雇用創出に取り組んでいます。
(三重まるごと自然体験 https://www.taiken.pref.mie.lg.jp/ )