
三重県南部に位置する尾鷲市。温暖な気候で、海の恵み、山の恵みが豊富なこの地域には、観光客だけでなく、県外からの移住者もたくさん暮らしています。第2弾の今回は、アイドルでありながら尾鷲市に移住し、YouTubeなどで尾鷲の魅力を発信している池山智瑛(いけやま ちあき)さんに取材。田舎暮らしで苦労した点や、メンバーである「尾鷲市地域おこし協力隊」について紹介します。
<Index>・アイドルが尾鷲暮らしを始めたきっかけは?
・釣りやアウトドア体験など尾鷲の魅力をYouTubeで発信!
・移住者の味方、「尾鷲市地域おこし協力隊」とは?
アイドルが尾鷲暮らしを始めたきっかけは?
アイドルグループChubbiness(チャビネス)のメンバーとしてデビュー。グループを卒業後も女優、モデル、タレントとして芸能活動をしていた池山智瑛(いけやま ちあき)さん。2020年10月、「尾鷲市地域おこし協力隊」として、尾鷲市に移住しました。さまざまなことにチャレンジしながら一軒家で暮らす様子を「釣りガール池山智瑛の田舎移住生活」としてYouTubeに公開しつつ、尾鷲のPR活動に取り組んでいます。田舎暮らしを始めたきっかけ、実際の活動についてお話を聞きました。
「釣りガール池山智瑛の田舎移住生活」
https://www.youtube.com/channel/UCr2-ft39i7RQ7KLdvu4UqZw

◇なぜ「地域おこし協力隊」として尾鷲に?
池山さん「移住する1年ほど前から、趣味で釣りを始めたんです。もっと本格的に釣りをやりたいなと思っていたときに、マネージャーさんから『SNSで尾鷲について発信できる人を探しているよ』と教えてもらって。『やってみたい!』という思いとともに、不安もあったので、実際に尾鷲を訪れて、募集をしていた『地域おこし協力隊』のOBの方とお話ししました。そこで、家探しや住宅の修繕、田舎暮らしをするにあたって、生活面でのサポートなども充実していると知って、これなら大丈夫そうだと。何より、実際に尾鷲に来て、海がとても身近にあるという魅力を、直接感じられたことが大きいですね。そこで、協力隊として活動していくことを決意しました」


釣りやアウトドア体験など尾鷲の魅力をYouTubeで発信!
◇協力隊になってから、どんな活動をしていますか?
池山さん「『地域おこし協力隊』には、それぞれミッションがあります。“暮らし・人・食などの尾鷲の魅力を多様なツールで発信”することもその一つ。なので、1年間、YouTubeはほぼ毎日更新していて、そのほか、TwitterやInstagramでも投稿をしています。内容は、尾鷲の自然やお店、名産品の紹介から、移住者の方やお店を経営されている方とお話しして、その様子までいろいろですね。もちろん趣味の釣りも、たくさんアップしています。まずは釣りつながりでもいいので、私のYouTubeを見て下さる人を増やして、どんどん尾鷲のいいところを広めていきたいです」

◇釣り以外にもいろいろチャレンジされているんですね
池山さん「干物にする魚をさばいたり、たくあんにするための大根を収穫して漬けるところまで体験したり。小学生と一緒にシーカヤックにチャレンジするなど、尾鷲の自然を存分に満喫できる体験をさせてもらっています。地域の商店や農家さんが、とても親切に教えてくださるのでありがたいですね」
◇住んでみて感じる尾鷲の魅力は?
池山さん「まず人が温かい! すぐに心を開いてくれるというか、よそから来た人にもとても親切。だから、なじむのが早かったと思います。また海も山もどちらも近いところが大好きです」
◇おすすめのスポットを教えて下さい
池山さん「まず『土井竹林(どいちくりん)』です。高さ15メートルもの竹が、約4,000㎡の敷地に群生している見事な竹林です。YouTubeやSNSでも紹介しましたが、国道からすぐの場所とは思えない静かで幻想的な雰囲気で、街中とのギャップがすごい。きっと驚くと思いますよ。

『天狗倉山(てんぐらさん)』もいいですね。そんなに高くない山ですけど、町が一望できるんです。お店だと魚介が好きな人には、『おわせ魚いちば おとと』は本当におすすめ。まぐろが水揚げされた日限定で提供されるマグロ丼は、女子1人だと食べきれないくらいのボリュームなんですよ。安くて新鮮でおいしいお店です」

◇移住にあたって大変だったことは?
池山さん「やっぱり引っ越しですね。マンションやアパートなどだと東京に住んでいるのと変わらないと思ったので、一軒家の空き家を探してもらったんです。でも、考えていた以上に修繕が必要で…。今の家は、知り合いに紹介してもらった物件ですが、修繕もされていて、そのまま住める状態だったので決めました」


◇尾鷲への移住を考えている人にメッセージを
池山さん「山と海、両方楽しめる自然たっぷりの場所です。獲れる数が少なくて、ほかの土地へは出回らない珍しい魚も多いので、釣り好きの人はぜひ一度遊びに来てみてください。海鮮系の料理も驚くほどおいしいですよ!」
◇今後どんな活動をしていきたいですか?
池山さん「ぜひ、釣りのイベントをやってみたいですね。あとは飲食店巡りとか。コロナ禍では、なかなかできなかったことなので、今後飲食店の人も一緒に、盛り上げていけたらと思っています。『地域おこし協力隊』のメンバーとして、これまで以上に、尾鷲の釣り、グルメ、住んでいる人たちなど、魅力的な尾鷲を発信していきたいです」
移住者の味方、「地域おこし協力隊」とは?
池山さんも参加している「尾鷲市地域おこし協力隊」について、尾鷲市地域創生係の野田憲市(のだけんいち)さんにお話を伺いました。

人口減少、高齢化など、地方都市としての課題を抱えていた尾鷲市。2011年、外部からの人材を活力にしたいとスタートしたのが「尾鷲市地域おこし協力隊」です。3年の任期中には、隊員それぞれにミッションが与えられ、多方面から尾鷲市を盛り上げるために活動するとのこと。現在は7名が活動しているそうです。「都市部で働いていたが通勤時間の長さに疑問を感じて」、「自身の得意分野を活用して地域のためになれば」、「ネット環境があれば仕事はできるので自然豊かな場所で過ごしたい」など、活動中のメンバーが、参加したきっかけはさまざまで、出身地も九州や関西、関東などバラエティに富んでいます。

「隊員の取り組んだことは、地域に定着していってほしいので、そのあとにつながるものをミッションとして掲げるようにしています」と野田さん。特産品のPR会社を作った人、宿泊施設や飲食店を立ち上げた人などがいるそうで、これまでに26人が協力隊として活動し、協力隊での活動終了後も尾鷲に定住する人は5割ほどいらっしゃるとのこと。
「尾鷲に観光や遊びに来る“交流人口”だけでなく、移住者未満、観光客以上の関わり方をしてくれる“関係人口”が増えてほしいんです」と考える野田さん。「ただ安く住めるからといった理由で移住すると、こんなはずじゃなかったということになりかねません。例えば釣りが好きで何度も足を運んでいるうちに、地域の知り合いができる。そういう風に少しずつ段階を踏んで濃密な関係を築いたあとで、最終的に移住となってもらえたらうれしいですね。そのお手伝いをするのも『地域おこし協力隊』です」
尾鷲市に魅力を感じて外部から集まって来た人たちが、観光客や移住を考える人たちに尾鷲市をPRする。それが、地元の人たちにも広がり、定着し、尾鷲の新たな魅力として人をひきつけるように。そんな素敵な循環が生まれるところ、尾鷲市。ぜひ一度、訪れてみてください。
- <今回の取材先はコチラ>
- 池山智瑛さん
YouTubeチャンネル「釣りガール池山智瑛の田舎移住生活」
URL:https://www.youtube.com/channel/UCr2-ft39i7RQ7KLdvu4UqZw
公式インスタグラム
URL:https://www.instagram.com/chu_chiaki/?hl=ja
公式Twitter
URL:https://twitter.com/Chu_chiaki_avex - 尾鷲市地域創生係
住所:三重県尾鷲市中央町10-43(尾鷲市役所)
電話:0597-23-8116
URL:https://www.city.owase.lg.jp/
三重県の取り組み紹介
三重県内では、地域おこし協力隊として尾鷲市、熊野市など、16市町で約80名の隊員が活動しています。(令和3年10月1日現在)
https://www.pref.mie.lg.jp/NANBU/HP/000239964.htm