
【取材】nari_bow
最近こんな自転車に乗っている人をまちで見かけませんか?
ハンドルが曲がっていて、サドルが高くて、細いタイヤの自転車。
パツパツのウェアを着た人がよく乗ってますよね?
これはロードバイクといって、高速走行を目的として設計された、いわば競技用の自転車です。
時速30キロメートルは簡単に出て、距離にして1日に200キロメートルを走る方もいます。
ママチャリが軽自動車だとすると、ロードバイクはスポーツカーみたいな感覚です。
手軽に長距離を走ることができるこのロードバイク。
健康志向の高まりや環境問題への注目のせいもあるのか、日本でもブームになっていて、世界中でロードバイクのレースやイベントが開催されています。
―――サイクリストが安心してツーリングできるまち。
そんな中、このロードバイクブームに目をつけた市が三重県にはあります。
三重県の北端部に位置し、滋賀県・岐阜県との県境のまち、いなべ市。
標高1000メートル級の山々に囲まれ、四季折々で変化を魅せる自然豊かなまちです。
この豊かな自然を多くの人に肌で感じて楽しんでもらうため、いなべ市では、自転車を活用したまちづくり=「サイクルツーリズム」に取り組んでいます。
自転車周遊ルートマップを作成したり、市内の飲食店や観光施設に自転車ラックを設置したりして、サイクリストが安心して楽しくツーリングができるまちづくりを行っています。


このほかにもサイクリストに喜んでもらえる優しいサービスが、市内の至る所に用意されいます。
―――国内最高峰の国際自転車レース。
サイクルラックやルートマップなど、このようなサービスを行っている市町は結構ありますよね?
しかし、いなべ市の自転車にかける情熱はこんな程度ではありません。
なんと、自転車レースを誘致してるんです。
その名も
「TOUR OF JAPAN」
日本最高峰の国際自転車レース「TOUR OF JAPAN(ツアー・オブ・ジャパン)(以後TOJ)」
国内はもちろん、世界のトップクラスで活躍するレーサーが集結し、日本国内8カ所でレースを行い、総合順位で争われる自転車レースです。
8ステージのうちの1ステージがここ、いなべ市で開催されているんです。
いなべ市での開催は今年で3回目。
昨年は2万人を超える人が観戦に訪れ、大盛り上がりを見せた。
今年の開催は5月23日(火)。
どんなコースを走るのか・・・?
そして、
一体どんなドラマが繰り広げられるのか・・・?
とっても気になるので、今回は、
いなべ市役所の職員さんに、実際に走ってもらうことにしました。
プレ・ツアー・オブ・ジャパン(以下プレ・TOJ)スタートです!!
まずは、実際のTOJパレード(スタート前に選手が町中を走行する)のスタート地点。
阿下喜駅前で待ち合わせ。

<プレ・TOJ出場ライダー紹介>




―今日はよろしくお願いします!! ツアー・オブ・ジャパンのコース紹介楽しみにしています。早速行きましょうか?
田中さん:よろしくお願いします!! まずは腹ごしらえですね!
―えっ?
「腹が減っては戦はできぬ」と言わんばかりに、サイクルラックに自転車を置き、阿下喜駅前にある「あげきはっこく亭」へ。

サイクルスポットとして「トイレ」「食事」「サイクルラック」「給水」「エアポンプ(空気入れ)」を提供してくれる。
サイクリスト歓迎のお店です。

いなべ名物のお蕎麦が食べられるこのお店。
普段からサイクリストのお客さんも多く、さっぱりとした蕎麦は大人気だとか。
甘辛ダレの香ばしいみたらし団子もおすすめです。
団子を食べ終えたら、いよいよスタートです。


阿下喜駅から始まる選手パレードは阿下喜商店街を抜けていきます。


商店街を抜けると、周回コースに入ります。
ここから選手たちはアクセル全開で走り始めます。


田園風景を抜けると、メイン会場のいなべ市梅林公園のある、鼎(かなえ)地区に入っていきます。
ここから少しずつ上り坂が続いていきます。
ここ鼎地区は過疎化が進む地域。
しかし「選手たちを盛り上げたい」との思いで住民たちが「応援かかし」を自主的に製作し、応援しています。


緩やかな坂道を越えると、メイン会場の梅林公園に入ります。
ここは最終のゴール地点となります。


当日このメイン会場には多くのお店が出店され、いなべ市の特産品の飲食ブースやスポンサー企業のブースなどが立ち並びます。
メイン会場を抜けると、今回のいなべステージの目玉ポイント「激坂区間」に入ります。
自転車ファンにとって、坂道での攻防は大きな見どころの一つです。

高低差84メートル、平均勾配9パーセント、最大勾配17パーセントの急な坂道が約1キロメートル続く。
まさに「激坂!」

これ以上職員さんたちを連れ回すと、行政のお仕事に支障をきたしかねないので、今回はここでゴール。

今年のいなべステージでは、この「激坂」を含む約14.8キロメートルの周回コースを8.5周も走ります。
国内8ステージあるTOUR OF JAPANにおいて、屈指の山岳コースであるいなべステージ。
メイン会場と見どころスポットが近く、観戦しやすいことから、自転車ファンに人気のステージだそうです。
国内最高峰の国際レース。
いなべの自然を駆け巡る迫力満点の走りを、ぜひ観戦してみてはいかがでしょうか?
―――ツーリングの後のお楽しみ。
自転車でいなべの自然を楽しんだ後は、お待ちかねの食事です。
今回はサイクルスポットでもある「アミアン」へお邪魔しました。

美味しいケーキやパスタ、ドリアが食べられる可愛いお店。

地元の野菜をふんだんに使ったメニューはどれもボリュームがあって、サイクリストも大満足。

ケーキもたくさんあって、自転車女子にもオススメのお店です。
最後に、疲れた体を癒やすのにオススメなのが天然温泉の「阿下喜温泉」。
スタート地点の阿下喜駅からすぐ近くにあります。
かけ流しの露天風呂に浸かりながら、身も心も温まって帰るのもいいかもしれません。
TOUR OF JAPANの他にも、秋口には一般のサイクリストが参加できる自転車イベント「いなべヴェロフェスタ」が今年も開催予定。
市内11カ所のチェックポイントをオリエンテーリング形式で巡る、初心者でも気軽に参加できるイベントです。
日本最高峰の「TOUR OF JAPAN」で、迫力満点の自転車レースを間近で観戦するもよし。
自ら自転車にまたがり、自然の中を駆け巡るもよし。
「サイクリストの聖地」をめざし、いなべ市はまち一丸となって日々進化していきます。
関連情報
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●三重県熊野市では、ツール・ド・熊野も開催されており、国際的なロードレース大会が2つも行われているのは、現在のところ三重県だけです。
■マウンテンバイクもロードも!大人も子どもも!!三重は自転車も熱い!!!
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