【取材】nari_bow
2017(平成29)年4月21日〜5月14日に三重県営サンアリーナで開催される「第27回全国菓子大博覧会・三重(お伊勢さん菓子博2017)」
開催まであと1カ月を切りました!
全国からさまざまなお菓子が集まるのはもちろん、巨大工芸菓子の展示や限定商品の発売などなど、この期間でしか見たり食べたりすることができない、魅力が満載のお菓子の大イベント。
―――高校生と、プロの菓子職人がタッグを組んで誕生する限定スイーツ。
菓子博限定の催しがたくさん予定されている中、三重県内の高校生が考えたスイーツが販売されることを皆さんご存じでしょうか?
学生たちならではアイデアで考案したレシピをもとに、学生と県内の有名菓子店がコラボレーション。
何度も打ち合わせや試作を積み重ねて作り上げたこだわり商品。
県内4校の学生チームと県内5つの菓子店との夢のコラボスイーツ全6品がデビューします。
*「SNOW MOUNTAIN」は2つの菓子店とコラボしているため、2種類あります。
*写真はすべて試作段階のものであり、実際とは異なる場合があります。
三重の特産品である「あおさ」「伊勢茶」「かんきつ類」をふんだんに使った、三重ならではのスイーツが登場します。
どれも本格的で美味しそうです。
―――高校生とプロの職人がどんな想いで商品化に向けて取り組んだのか?
今回ラインナップされた6点のうち「SNOW MOUNTAIN」のレシピを考案したチーム「MAM」を訪ねて、いなべ総合学園高等学校の調理同好会に伺いました。
部員は現在25人。放課後みんなが思い思いの料理を研究しています。
MAMのほかにも「まっちゃろん&レモロン」を考案した「ISGⅢ」も所属しています。
昨年(2016年)秋に開催された「第7回三重県高校生スイーツコンテスト」で「ストーリー賞」を受賞したこのレシピ。
ー今日はよろしくお願いします。早速ですが、この「SNOW MOUNTAIN」って、どんなお菓子ですか?
MAM:よろしくお願いします。「SNOW MOUNTAIN」は、伊勢茶を使ったパウンドケーキで、まわりを新姫を使ったアイシングでコーティングしました。お茶の風味と新姫の甘酸っぱさがマッチした、大人から子どもまで、みんなで一緒に食べてもらえるパウンドケーキです。
ー商品名の「SNOW MOUNTAIN」。これはどんな想いで名付けたのですか?
MAM:私たちが通ういなべ総合学園から見える冬の鈴鹿山脈をイメージしました。緑の山々に真っ白な雪が積もって、とてもキレイなんです。それをお菓子で表現したくて名付けました。緑の山を抹茶で、雪を新姫のアイシングで。
ー伊勢茶と新姫。この素材を選んだ理由は?
MAM:昨年(2016年)8月に開かれた食材講習会に行ったときに、三重で採れるお茶とかんきつ類を紹介していただきました。そこで自分たちのイメージにぴったりあったのが伊勢茶でした。新姫は強い酸味と爽やかな風味が特徴的で、これを使ったらきっと面白いお菓子が作れるだろうと思って選びました。卵はいなべ産のものを使っています。
ーレシピを考える中で、苦労したことはありますか?
MAM:伊勢茶と新姫のバランスが難しかったです。伊勢茶も新姫も、どちらも風味が強い素材なので、2つの良さを最も一番引き出せるにはどれくらいの分量にするのがベストか、何度も試作を繰り返しました。学校だけでは時間が足りなくて、家に帰ってから作ったこともありました。
学校生活で仲間と眺める景色をイメージし、たくさんの人に美味しいと笑顔になってもらえるように努力を重ねて誕生した「SNOW MOUNTAIN」
商品化に向けて、プロの職人さんとも何度も打ち合わせを重ね、アドバイスをもらいながら自分たちが納得いくまで改良を重ねました。
今回のレシピの商品化を手がけるのは、津市にお店を構える老舗和洋菓子店の「とね菓子館」と、鈴鹿市にお店を構える老舗和菓子店の「大徳屋長久」
高校生スイーツコンテストのノミネートレシピを審査する中で「SNOW MOUNTAIN」のレシピに関心を持ったお二人。
「彼女たちの考えや想いを全て汲み取り、一緒になって美味しいお菓子を作り上げていきたい。学生ならではの発想は僕たちにも新鮮で、逆に勉強になることもありました。今回の菓子博での商品化は高校生の皆さんにとっても、私たちにとっても貴重な経験になったと思います。ぜひとも多くの人に食べてもらいたいですね」と語る。
同じレシピをこの2つのお店がそれぞれどのように進化させ、商品に仕上げていくのかも楽しみです。
このほかの商品も、商品化をめざす高校生と職人らの熱い想いが込められているのでしょう。
これからの三重県の食を担っていく若者たちの想いが詰まった新作スイーツ、ぜひともご賞味ください。
ーーー他にもある。菓子博限定スイーツ。
高校生スイーツのほかにも、菓子博開催期間でしか食べることができないお菓子が多数出品されます。
三重県を代表するお菓子の一つである。
「赤福餅」からは、通常の赤福餅と白小豆を使用した白あんの赤福餅が1粒づつお盆に乗った「祝盆(いわいぼん)」。
紅白で縁起も良いですね。
また、江戸時代から明治にかけて作られていた”黒糖味の赤福餅”も限定復刻されます。
そのほかに、老舗和菓子メーカー6社(赤福・神戸風月堂・俵屋吉富・つちや・花園万頭・両口屋是清)が共同開発した和風パフェ「しんかパフェ」や、石川県・福井県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県の6県の菓子工業組合青年部がコラボレーションして作った三重の特産品を使った限定スイーツも販売される予定です。
地元の高校生、菓子職人、日本を代表する老舗菓子メーカーまで総力を挙げて開催される、約4年に1度のお菓子の祭典。
菓子博覧会期間中だから食べられるお菓子を目当てに遊びに行ってみてはいかがでしょうか?
関連情報
■お伊勢さん菓子博2017
お菓子がつなぐ「おもてなし」を世界へ。日本最大級のお菓子の祭典「全国菓子大博覧会」を伊勢市にて開催!見る、食べる、買うがいっぱい!お菓子のたのしみ大集合!いろいろな楽しいイベントで盛り上がりましょう。
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■今回の菓子博の「巨大工芸菓子」制作の舞台裏に興味がある方は、「つづきは三重で」記事「三重の菓子職人100人の技が集結。巨大工芸菓子の制作現場に潜入取材。」もご覧ください!