友人とファミリーと訪れたい!三重のオモシロ祭り4選

2018.9.7

グルメからエンタメまで 佐野 興平

 

歴史あるエリアが点在する三重県で注目したいのがお祭り。勇壮な神輿(みこし)や山車(やま)が登場するものはもちろん、その土地ならではのユニークなものも多く、県内のさまざまな場所で多くの人が祭りを楽しんでいます。今回は、亀山市で毎年7月に行われている「関宿祇園夏まつり」に密着。祭り当日の様子をレポートするほか、ぜひ訪れてほしい三重県下の個性あふれる祭りを紹介します!

 

豪快な舞台回しは必見!あの言葉の語源にもなった 「関宿祇園夏まつり」

毎年、亀山市で行われているのが「関宿祇園夏まつり」。山車(一般的には「山車=だし」ですが、関宿の場合はヤマと言います)の巡行(じゅんこう)では、ほかでは見られない山車の上部が回転する「舞台回し」と呼ばれる迫力満点のポイントがあるほか、神輿が町内を回る「神輿の渡御(とぎょ)」、通りに置かれた行灯(あんどん)に火を灯す「行灯飾り」、行灯を手に持って行う「灯おどり(ひおどり)」、子ども山車など、見どころがたくさんの祭りです。

歴史は古く、江戸時代には関西五大祭りの一つに数えられていたほど。そして、今も使われている「関の山」(=そこまでが精いっぱい)という言葉の語源は、この祭りというから驚きですね。多くの山車が集まって東海道が塞がり、通るに通れない様子を表す言葉だったのだとか。

2018年は7月21日(土)・22日(日)に開催。一番盛り上がる初日、21日に現地へ向かいました。今年の夏は観測史上最高ともいわれる暑さ。祭り当日も、その暑さの真っただ中。現場にいても、とにかく暑い! そして熱い!!

さっそく祭りについて、亀山市観光協会の会長、黒田力男(くろだ りきお)さんに聞きました。

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◇いつごろから行われているものなんですか?
黒田会長「元禄年間のころからといわれています」

◇由来やいわれについては?
黒田会長「文献は残っていないのですが、鎮魂なども含めた意味合いから始められたと思いますね」

◇江戸時代には関西五大祭りと呼ばれていたそうですね
黒田会長「はい。今では山車は4台ですが、江戸時代の文化年間には16台が巡行していたという記録があるほどです」

◇毎年の開催日は決まっているんでしょうか?
黒田会長「7月下旬の土曜、日曜ということで、日付は決まっていません。毎年2日間で5000~6000人の人出があります」

見どころはやはり「舞台回し」とのこと。ちょうちんを揺らしながら4台の山車が揃って回る様子は迫力満点とすすめてくれました。さっそく祭りの現場へと向かいましょう!

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午後1時。いよいよ祭りが始まります。まずは神輿の渡御からスタート。関神社から出発した神輿が街道を進みます。

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関宿のメインストリートを「東の追分」まで進み、ここで神輿を回転させます。その様子は迫力満点! そして、いったん休憩をしたら…。

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今度は通りを西へ向かいます。何回も言いますが、今年はとにかく暑い! 例年以上の熱気に、近所の人が曳(ひ)き手たちに水をかけていました。これで生き返るんですよね~。

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神輿は街道を左右に振りながら練り歩き、威勢のいい掛け声と歌が通りに響きます。

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通りにある団子屋さんが多くの人たちでにぎわっていたほか…、

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ヨーヨー釣りなども登場し、祭りの雰囲気を盛り上げます。

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地域の若者たちもみんな祭りを楽しみにしています。カメラを向けるとニッコリと笑顔を見せてくれました。地元にこんな祭りがあるって、うらやましいですねぇ。

各地区から山車が登場!夕暮れの街道をゆっくり進む様子も見どころの一つ

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例年なら午後4時30分ごろから始まる山車の巡行ですが、今年は暑さが厳しいため、午後6時からスタート。少しずつ街がオレンジ色に染まり始めるころ、待ちに待った山車がいよいよ動き出します。4台の山車は、大きさは若干違いますが、飾りなどはほぼ同じ。それぞれに木崎、北裏、三番町、四番町の地区の紋が入っています。

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夕暮れが近づく通りを、山車が進んで行く様子は雰囲気がありますね。

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笛や太鼓、鐘の音が鳴り響くなか、ゆっくりと進んで行きます。

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通りで「舞台回し」を行う山車もあり! 歓声が上がっていました。
山車の登場と同じ午後6時からは日暮れを前に、関地蔵院より西側の新所地区で行灯に火が入れられていきます。

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行灯の数は約250個。少しずつ暗くなっていく旧東海道が、幻想的な雰囲気に包まれます。

 

約200人が行灯を手に踊りを披露する「灯おどり」

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午後7時すぎからは灯おどりがスタート。これは踊り手の皆さんが手にする行灯。次々に火がともされていきます。

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街道西にある「御旅所」から踊り手の皆さんが行灯を手に進みます。このころになると、暑さもほんの少しだけやわらぎました。

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約200人の踊り手が街道を進む様子は幻想的。たくさんの見物客も通りに押し寄せます。

4台の山車が集まって魅せる「舞台回し」は必見

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辺りが宵闇に包まれると、山車に飾られた提灯が赤く浮かび上がります。ここからがいよいよ祭りのクライマックスです!

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4台の山車が集合。これだけでも、壮観ですよね。

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4台が揃っての「舞台回し」がスタート。回転する様子は迫力十分。「オオーッ!」と思わず声が出てしまいます。詰めかけた多くの観客もシャッターチャンス!と、カメラに、そして目に、美しくも迫力ある様子を焼き付けていました。

祭り1日目はこれにて終了。2日目も神輿の渡御と山車の巡行が行われますが、4つの地区が揃っての舞台回しはありません。4台が揃っているところが見たいという人は1日目に、少しゆったりと祭りを楽しみたいなら2日目もおすすめです。

老若男女、町中の人たちがひとつになって祭りを盛り上げる様子は、昨今ではなかなか見ることのできないもの。日本の原風景のひとつといえる「祭り」。その様子を間近で堪能することができました。

 

歴史の荒波を超えて! ユニークな山車(だし)が街を行く「四日市祭」

秋に開催されるユニークな祭りを知るために、続いては四日市へ。四日市市の「四日市祭」は、江戸時代初期の1697年にはすでに行われていたという資料もあるという歴史ある祭りです。多くの人に愛されていた祭りですが、戦争や水害などで、一時は存続の危機に。1997年に復活し、現在は多くの人に愛される、秋の祭りとして定着しています。四日市一番街商店街振興組合の理事長、長谷川進(はせがわ すすむ)さんにお話を伺いました。

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◇元々はどんな祭りなんですか?
長谷川理事長「諏訪大社の例大祭です。戦前はからくり人形の山車や船山車など、たくさんの山車が出て、とても盛り上がっていたようです」

◇どうやって復活したのでしょう?
長谷川理事長「歴史のある祭りを途絶えさせたままではダメだということで、地元の人たちが力を合わせて復活のために奔走しました。実際に復活したのは1997年ですが、準備には数年間必要でしたね」

◇どんな内容で行われているんですか?
長谷川理事長「毎年、10月の第1日曜とその前日の土曜日に行っています。神輿やからくり山車などが登場するんですよ。諏訪公園から70m道路(中央通り)の間に、各山車が並ぶ様子は特に見てもらいたいです」

24_myoujinmaru1 祭り▲勇壮な山車を見るために、今では多くの観光客が訪れます

こちらの見どころはなんといってもそのユニークな山車。迫力満点の鯨船などのほか、からくり人形山車の「大入道」は一見の価値ありです。2日間で約5万人の人出があるという「四日市祭」。今年は2018年10月6日(土)・7日(日)に開催されます。

25_onyudou1▲大入道はその迫力に泣き出してしまう子もいるとか!?(大入道は隔年で登場。2018年は登場なし)

まだある! 見逃せない三重のお祭り!!

これから行けるおすすめの秋の祭りをピックアップしました。いずれも見どころ、楽しさたっぷりですよ。

■花の窟神社秋季大祭
熊野市にある花の窟(はなのいわや)神社で、毎年10月2日に行われる秋の例大祭。春は、2月2日に行われています。春秋ともに見られる「お網かけ神事」は、三重県の指定無形文化財で、大網をご神体の巨岩から七里御浜へ引き出し、境内へ渡すというもの。毎回多くの見物客が訪れます。秋季大祭では、聖なる白石を載せた花車を引く「お白州引き」や「道中踊り」なども行われます。

26_お綱かけ神事▲ご神体の巨岩から七里御浜へ渡す大網は160m以上という大きなもの

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▲渡された大網は自然に切れるまで、そのままの状態にしておきます

 

■来る福招き猫まつり
伊勢神宮内宮の鳥居前町にある「おかげ横丁」で行われる「来る福招き猫まつり」は、今年24回目を迎える人気イベント。9月15日(土)~30日(日)に開催されます。毎年「来る福」にかけた9月29日9時29分から、縁起の良い鈴を929個限定で配布。ほかにも招き猫の絵付け教室やスタンプラリーなども行われ、おかげ横丁が縁起のいい招き猫でいっぱいになるお祭りです。

28_DSC5374▲たくさんの招き猫にあうことができます

29_DSC5297▲絵付け教室ではオリジナルの招き猫を作ることもできます

幻想的で迫力のある夏祭りから、かわいい招き猫が集合するものまで、多彩な三重の祭りを紹介しましたが、どの祭りでも共通して感じられるのは、祭りを支える人たちの〝この土地が好き〟という熱い思い。それが祭りのいきいきとした魅力につながっているのでしょう。あなたも気になった三重の祭りに足を運び、間近でその魅力を体感してみませんか!

 

紹介した祭りはコチラ

 

★関宿祇園夏まつり
開催日/毎年7月下旬の土・日曜
会場/東海道関宿
問い合わせ電話:0595-97-8877(亀山市観光協会/8:30~17:00受け付け、月曜・年末年始休業、月曜が祝日の場合は翌日休)
http://kameyama-kanko.com/

 

★四日市祭
開催日時/2018年10月6日(土)11:00~21:00(予定)、7日(日)11:00~18:00(予定)

会場/諏訪神社周辺、四日市駅周辺
問い合わせ電話:059-354-5272(四日市一番街商店街振興組合/9:30~18:30受け付け)
https://www.yo1ban.com/

 

★花の窟神社秋季大祭
開催日時/2018年10月2日(火)、10:00~11:30
会場/花の窟神社
問い合わせ電話:0597-89-0100(熊野市観光協会/9:00~17:00受け付け)
https://www.kumano-kankou.info/

 

★来る福招き猫まつり
開催日時/2018年9月15日(土)~30日(日)、各日9:29~17:29
会場/おかげ横丁
問い合わせ電話:0596-23-8838(おかげ横丁総合案内/9:30~18:00受け付け、※季節により異なる)
https://www.okageyokocho.co.jp/

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