酪農体験に味覚狩り!三重県は家族で楽しめる農場・ファームがいっぱい

2019.4.26

おでかけ情報はおまかせ 内山真紀

三重県には牧場のお仕事体験や、地元の食材を堪能できる味覚狩りなど、ファーム体験ができる施設がたくさんあります。今回は、ファミリーでのお出かけにピッタリの、遊びながら“食”について学べる、おもしろくってためになる施設をピックアップ。ぜひ、家族みんなで出かけてみてくださいね。※記事中の価格は税込み。

 

全国でも珍しい遊んで学べる「伊賀の里 モクモク手づくりファーム」

最初に紹介するのは、伊賀市にある「伊賀の里 モクモク手づくりファーム」。多いときには1日5,000人以上が訪れるという、人気の施設です。人気の理由は一体何なのか、広報担当の浜辺佳子(はまべ よしこ)さんに話を聞きました。

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◇「モクモク手づくりファーム」(以下『モクモク』)について教えてください。
浜辺さん「約30年前に『ハム工房モクモク』として創業しました。利用者の声によって、BBQ設備や農場、体験施設などが増えていき今のカタチに。東京ドーム約3倍の敷地には、学習牧場や手づくり体験教室、地ビールブルワリー、レストランなど多彩な施設があります」

◇ “体験しながら学べる”というのがポイントなんですよね。
浜辺さん「本やインターネットなどで知識は身に付きますが、体験しなければ得られないこともたくさんあります。全国にはファーム体験ができる施設はたくさんありますが、『モクモク』の特徴はドキュメンタリーの現場であること。動物たちの世話や農作業など、普段の仕事をお見せしています。リアルな様子を見て体験することで、食と命のつながりを学んでもらっています」

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▲ファーム内では、ハム・ウインナーの加工現場や、パンやお菓子の工房などを見ることができます。

◇全国から農業や酪農を学びたいという人が集まってくるそうですね。
浜辺さん「現在、約1,000人のスタッフがいて、平均年齢は30歳前後。若い世代の就農希望者が全国から集まっています。『モクモク』では農産物の生産はもちろん、加工から流通・販売までを一貫して行う、6次産業化(※)に取り組んでいます。ファーム内の小麦工房ではパンやお菓子をつくって販売、レストランでは野菜や加工品を提供。ファーム内で生産から消費まで、すべてが完結する仕組みができています。また、『モクモク』が運営するレストランの野菜やお米はすべて地元産です。私たちの生産で足りない分は地元の農家さんにつくってもらうなど、地域産業の発展にも力を入れているんですよ」

※6次産業化=1次産業としての農林漁業と、2次産業としての製造業、3次産業としての小売業などの事業との総合的、かつ一体的な推進を図り、農山漁村の豊かな地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す取り組みのこと。

体験学習では子どもたちの楽しいという気持ちを妨げず、「なぜ?」「どうして?」という疑問に答えるように心がけているそうです。私もジャージー牛の乳しぼり体験(無料)にチャレンジ。

 

“食と命の体験”を通じて日常の当たり前を大切に感じられる

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▲乳しぼり体験は「のんびり学習教室」で行います。黒板や机が並んでいて、昔懐かしい小学校の教室のようです。

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▲なんと、黒板の向こう側にはジャージー牛がスタンバイしていました! 一緒に体験を受けていた子どもたちからも「お~!すご~い!」と歓声が沸き上がっていました。

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▲乳しぼりをする前に、ジャージー牛について勉強です。1頭当たりから搾乳できるのは1日15~20リットルだそうで、2歳からお母さん牛になれるのだとか。クイズ形式で楽しく学べるのがいいですね。

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▲絞り方のレクチャーを受け、実践です。ジャージー牛は牛の中でも小柄な方ですが、間近でみると迫力満点!

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▲牛に触れるとほんのり温かく、体温を感じることができました。丁寧に絞りながら少しずつミルクが出てくる様子を見ていると、当たり前のように飲んでいる牛乳の大切さを実感。貴重な体験ができました。

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▲ジャージー牛から絞った牛乳は、フードショップで販売しています(1本210円)。しっかりとした牛乳の味わいがありながら、すっきりとした後味にファンが多いとか。

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▲学習教室の隣にはポニー・ロバハウスがあり、ちょうどポニーたちの食事タイムでした。小学6年生までの子どもは乗馬体験(無料)ができます。

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▲「モクモク」で販売しているハムやウインナーと同じ豚肉を使用する、「手づくりウインナー教室」(有料)も人気。ウインナーが手づくりできることに驚く子どもが多く、みんな興味津々で取り組むそうです。

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▲手づくり体験のスタッフ、小松浩也(こまつ ひろや)さんと高岡佳美(たかおか よしみ)さん。食育先進国であるフランスでの研修経験を生かしてカリキュラムを組むなど、ハイレベルな食育を実践しています。

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▲こちらは、「PaPaビアレストラン」。「モクモク」で作っているハムやウインナーといった加工品や、野菜を使った料理がずらり。バイキングスタイルで約60種類のメニューを、お腹いっぱい食べられます!

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▲旬の食材をふんだんに使用したメニューは、どれもおいしそうで目移りしちゃいます。

このほかにも、お父さん世代が夢中になる「ザリガニ池」や、収穫体験ができる「きのこ農園」など、遊び場が満載。丸1日、楽しめるファームです。

 

残留農薬“ゼロ”にこだわった「いのさん農園」でいちご狩りを体験

続いて紹介するのは、津市にある「いのさん農園」。夏はブルーベリー狩り、冬~春はいちご狩りができる観光農園です。今回は、5月末頃まで体験できる、いちご農園にお邪魔しました。

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▲代表の岡田孝幸(おかだ たかゆき)さん。三重県青年農業士(※)として津市の農業を牽引する、若手農業家の一人です。

※三重県青年農業士=農業や農村の振興のために、中核的役割を果たすことが期待できる若い農業者を三重県が認定

◇「いのさん農園」の特徴を教えてください
岡田さん「一番は何といっても、残留農薬“ゼロ”です。私自身が食物アレルギーで辛い経験をし、食の大切さを実感したのが、農業を始めたきっかけ。お客さまに安心・安全な果物を提供するため、GAP(※)にも取り組んでいます」

※GAP(Good Agricultural Practice:農業生産工程管理)=食品安全、環境保全、労働安全などの持続可能性を確保するための生産工程管理の取り組み
三重県のGAPについての取り組みはコチラから
http://www.pref.mie.lg.jp/SHOKUA/HP/69117043896.htm

◇具体的にはどんなことをしているんでしょうか?
岡田さん「まずは養液土耕栽培。土の代わりにウレタンのような素材を使用し、植物由来の養液を含ませています。土で栽培するよりも、農作物のできが安定するんです。そのほかにも、ハウス内の温度や湿度、二酸化炭素、日射量を機械で測定しスマートフォンで管理しています」

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▲真っ赤に色づくいちご。1株から出る葉っぱの枚数にいたるまで、細かく管理されているそうです。

◇現代には欠かせないIT技術を農業に取り入れているんですね
岡田さん「先輩方が経験で培ってきたものとテクノロジーを合わせた、近代的な農業に挑戦しています。企業との共同研究なども、積極的に行っているんですよ。農業の現場が抱える課題の一つである、人材不足の解消にもつなげられればと思っています」

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▲広々としたハウスは通路の間隔が広く、ゆったりといちご狩りができます。「章姫」や「さがほのか」など5種類のいちごが栽培されているので、食べ比べてみるのも楽しいですね。おすすめは、三重県ではあまり栽培されていない「かなみ姫」。果汁が多く食べ応えのある大粒で人気なのだそう。

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▲ヘタ近くまで赤くなれば、食べ頃だそう。こちらは大粒!

デリケートなのでやさしく持ち、ヘタの付け根を指で押さえてポキッと折ります。そして、とれたてをパクっといただきます。ジューシーでさっぱりとした甘さは、いくらでもいけちゃいそう。練乳やチョコソース、キャラメルソース(各100円)を受付で販売しているので、いろいろ試してみてくださいね。

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▲いちご狩りの後は、BBQが楽しめる設備(有料、食材は持参)もあるので、ゆっくりと休日を過ごすことができます。

 

南伊勢町の名産・みかん狩りを楽しめる「里の駅 ないぜしぜん村」

ないぜしぜん村とみかん
南伊勢町の特産品の一つ、みかんの収穫体験ができる「ないぜしぜん村」。五ヶ所湾に面した南向きの斜面と、礫質土(れきしつど)で水はけのよい秩父古生層という、みかん栽培に適した土壌を生かし、南伊勢町では明治時代からみかんを栽培してきたそうです。「ないぜしぜん村」では温州みかんのほか、ポンカンや八朔(はっさく)、デコポン、甘夏など、さまざまな柑橘(かんきつ)類を栽培・販売しています。海を眺めながらのみかん狩りは毎年大人気。

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▲みかん狩り体験は10月中旬から12月中旬頃まで。園内の足元はフラットだから、子どもから高齢者まで安心して利用できるのも人気の理由。

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▲収穫したみかんで手づくりジュース体験(有料)もできます。取れたてのみかんで作るフレッシュジュースの味わいは格別です。

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▲「ないぜしぜん村」や南伊勢町で生産された材料を使用した加工品を販売。おすすめは手づくりジュース「よいしょっとみかんをしぼった(みかんのストレート)」(180cc・300円~)。お土産にもピッタリ!

そのほかにも、ハチミツや「五ヶ所小梅」を使用した梅干し、農産物など、南伊勢町の特産品がたくさん並びます。

 

時間無制限で食べ放題!「青蓮寺湖観光村」でぶどう狩りを満喫

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最後に紹介するのは、名張市の南部に位置する「青蓮寺湖(しょうれんじこ)観光村」。緑豊かな青蓮寺湖のほとりにあり、約2ヘクタールの園内ではさまざまな種類のぶどう狩りが楽しめます。注目は時間無制限の食べ放題!小さな子ども連れの家族も、時間を気にせずにゆっくりと満喫できますね。また、雨の日でもぶどう狩りができる設備があり、天気を気にせずに予定を立てられるなど、ファミリーにうれしいポイント満載の施設です。

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▲ぶどう狩りができる品種はデラウェア、スチューベン、巨峰、マスカットベリーAの4種。スタッフが食べ頃の場所へ案内してくれます。

飲食の持ち込みOKなので、お弁当を持ってピクニック気分で訪れる人も多いのだとか。家族でワイワイおしゃべりしながら、心ゆくまでおいしいぶどうを堪能できます。

三重県のファームレジャー体験、いかがでしたか。実際に見て、触れて、食べて…、五感を使って体験することで、食の大切さを知ることができるのだと再確認できました。当たり前のように食卓に並ぶ食べ物が、どうやってできているのか、どんな人たちが作っているのかを知れば、もっともっと食事が楽しくなるかもしれません。ぜひ、家族みんなで食べ物が生まれる現場へ出かけてみてくださいね。

(掲載情報はすべて平成31年3月現在のものです)

<今回紹介した施設はコチラ>
★伊賀の里 モクモク手づくりファーム
住所:伊賀市西湯舟3609
電話:0595-43-0909
営業時間:施設によって異なる
入園料:1人500円(大人・子ども)、2歳まで無料
※体験や施設によっては別途料金要。詳しくはHPで確認を
http://www.moku-moku.com/index.html
★いのさん農園
住所:津市白山町佐田2745-1
電話:059-264-0550
営業時間:10:00~16:00(最終受付15:15)
休園日:月曜・木曜
いちご狩り料金(45分食べ放題):4月1日~5月6日/大人(中学生以上)1,700円、小学生1,400円、幼児(3歳以上)1,200円 ※猪の倉温泉しらさぎ苑で使用できる入浴割引券付き
5月7日~閉園(なくなり次第終了)/大人1,400円、小学生1,000円、幼児600円 ※実施期間は12月下旬~5月下旬
http://inosan-farm.co.jp/
★里の駅 ないぜしぜん村
住所:南伊勢町内瀬1537-8
電話:0599-67-8100
営業時間:9:30~17:30、みかん狩り10:00~16:00
休園日:木曜
みかん狩り料金:大人1,500円(2kgお土産付き)、小学生1,000円(1kgお土産付き)、幼児400円 ※実施期間は10月中旬~12月中旬頃
http://www.naize.net/
★青蓮寺湖観光村
住所:名張市青蓮寺1521-5
電話:0595-63-7000
営業時間:9:00~17:00(最終受付16:30)
休園日:なし
料金:普通ぶどう狩り/大人(中学生以上)1,300円、小学生950円、幼児(3歳以上)650円▽巨峰狩り/大人(中学生以上)1,800円、小学生1,350円、幼児(3歳以上)950円 ※実施期間は7月20日~10月31日
※まずは案内所にて受け付けします。案内所は2カ所あるので、HPで確認を
http://www.s-budou.jp/index.html

□関連情報
つづきは伊賀市で
つづきは津市で
つづきは南伊勢町で
つづきは名張市で

つづきは三重で 「三重の実は…温泉に注目!三重県ファンと一緒に巡る温泉旅」
https://www.mie30.pref.mie.lg.jp/play/7501

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