【動画あり】360度VR動画「自然編」「女子旅編」 ロケスタッフに聞く動画の楽しみ方

2019.5.17

ママライター 森下裕美子

 

三重県のさまざまな魅力を深堀して紹介するWebサイト「つづきは三重で」では、動画による情報発信も行っています。今回、公開した動画は、「自然編」と「女子旅編」。360度動画カメラという最新技術を駆使して撮影しました。そこで、ライター森下が動画撮影のスタッフに、動画の見どころや撮影ウラ話をインタビューしてきました。

 

自然編の360度VR動画はコチラ

 

自然編2

 

女子旅編の360度VR動画はコチラ

 

女子旅編

 

正面だけでなく後ろ側も!見たい方向をすべて見られる360度動画の撮影秘話

動画の撮影を担当したのは、関西テレビ 報道技術部所属 MRラボディレクター 小邑恭平(こむら きょうへい)さん。「こんな美しい映像は、絶対ほかの人には撮影できない!と自信をもって言える、最高の動画になりました」と話します。さっそく、迫力ある映像や美しいビジュアルを、より深く楽しむポイントを教えていただきましょう。

◇まず、360度VR(バーチャルリアリティー)動画とはどういうものか教えてください。
小邑さん「360度VR動画とは、文字通り、360度全方位の景色を楽しめる動画のこと。上下や左右、後ろなどの映像を見ることができるのです。スマートフォンやタブレットなら見たい方向に画面をスワイプ、または、その方角にスマートフォンやタブレットそのものを動かす、パソコンなら見たい方向にドラッグするだけでOK。さらに、VRゴーグルを着用して見ると、まるで自分がそこにいるかのような疑似体験ができます。その圧倒的な臨場感と迫力に驚くはず! ただVRゴーグルがなくても、十分、楽しんでいただける映像に仕上げています」

VRゴーグルは簡易的なものが100円均一ショップなどで手に入るそう。機会があれば、ぜひ試してみてください。

例えば、こちらの美しい川の流れの映像は…

下にスワイプする(画面に触れた状態で上下左右に指を滑らせる)と、透明な水を通して川底が見えます。

後ろにスワイプすると、こんな感じ。川上の風景を見ることができます。

では、「自然編」「女子旅編」それぞれの作品について、小邑さんに見どころを聞きました。

 

【自然編】透明すぎる銚子川ではカヌーが宙に浮いている?!

◇「自然編」でこだわったポイントを教えてください。
小邑さん「最初に紹介したのは、前半に出てくる紀北町にある銚子川です。“銚子川ブルー”と呼ばれるほど、青く透き通った美しい水で有名なんです。実は、撮影日を3度も変更しまして…。というのも、水量が少なかったり、大雨の翌日で水が濁っていたり、風が強くて波だってしまったり。銚子川ブルーの本当の美しさを伝えたい!という思いで、コンディションにはこだわりました。編集時に映像をあらためて見て、素晴らしいものが撮れたと自画自賛しています」

▲このロケの直前に台風が襲来し、銚子川も激流になったのだそう。でも、そのおかげ(?)で、川底や石に付いた苔(こけ)がはがされて、より美しく撮影できたそうです。

小邑さん「銚子川では、オートキャンプ場の『キャンプ inn 海山』でレンタルしたカヌーに乗って撮影したのですが、あまりにも水が透明すぎて、カヌーが宙に浮いている!ように見えるんです。これは、インスタ映え間違いなし!のシーンですよ。

▲本当に川からカヌーが浮き上がっているように見えませんか? 川底までハッキリ見えるほど、透明度の高い銚子川ならではのシーンです。

小邑さん「もう一つ紹介したのが、紀北町と尾鷲市との境界にある、熊野古道伊勢路の馬越峠(まごせとうげ)です。峠に向かう山道は、天に向かってまっすぐ伸びるヒノキに囲まれています。木々の隙間から光が差し込んだ幻想的な映像が撮影できたので、これぞ熊野古道!という雰囲気を体感できます」

▲熊野古道伊勢路は、伊勢神宮と熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)を結ぶ道。全部で17コースある中、馬越峠コースは尾鷲ヒノキに囲まれた石畳の道が特徴です。

小邑さん「馬越峠ではドローンを使用し、迫力ある上空からの映像にこだわりました。眼前には、天狗倉山(てんぐらさん)の頂上につづく山並みが広がっています。スワイプして180度反対側に画面を動かすと、山に囲まれた尾鷲湾や港、尾鷲市内の街並みが広がっています。山と海に囲まれた場所に街があることがよくわかりますよ」

▲馬越峠のある天狗倉山からの壮大な眺め

▲反対側に目を向けると、尾鷲市の街並みや港が見えます。目の前の眺めだけでなく、背後の景色も見られるのは、360度動画カメラならでは!

◇自然を撮影する上で、苦労したことを教えてください。
小邑さん「360度すべて映ることが、撮影する側としては難しいポイントでした。僕以外にもスタッフ数人が撮影に同行したのですが、僕の後ろに立つと映像に映り込んでしまうため、カメラの周りにスタッフが近寄れないんです。さらに、僕自身も映ってしまうので、カメラを装着したヘルメットをかぶって撮影。銚子川では、僕一人で川を歩いたり、カヌーをこいだりしている間、スタッフは川岸でスタンバイ。馬越峠では、ヒノキの木の後ろにスタッフが隠れていました(笑)」

▲ヘルメットの上部にカメラを装着し、小邑さん自身が川に飛び込んでの撮影も。臨場感あふれる映像に仕上がっていて、まるで自分自身が飛び込んだ気分に。

▲飛び込んだあと、水しぶきの中で頭上を見上げた風景がコチラ。

 

【女子旅編】女子が行きたくなるスポットの新たな魅力を紹介

◇360度VR動画「女子旅編」はどのような内容になっていますか?
小邑さん「女性が行きたい!と思うだろう2つのスポットをピックアップしました。まず、三重県への旅では外せないレジャースポット・ナガシマスパーランドと、三重郡菰野町にある御在所岳・御在所ロープウエイです」

◇ナガシマスパーランドの撮影でこだわったポイントを教えてください。
小邑さん「ナガシマスパーランドは、すでに行ったこともある人も多いでしょうし、施設自体のウェブサイトでも動画を公開しています。そんなの知っている!と思われないよう、今までにないものにこだわりました。人気アトラクション、シュート・ザ・シュートの動画は同施設のHPにも紹介されていますが、コースターに乗りながらスプラッシュを浴びるシーンはありません。だからこそ、そのシーンを撮りたいとこだわりました」

▲シュート・ザ・シュートは高さ30m、最大傾斜40度のダイナミックな急流すべり。目の前が真っ白になるほどの、激しい水しぶきが舞い上がります。

▲こちらが小邑さんこだわりのシーン。正面を向けて見ると、急落下するスピードを体感できます。このあと、ものすごい水しぶきが迫ってくるシーンでは、思わずよけようと体を動かしてしまうかも。

◇御在所岳・御在所ロープウエイではどうだったのでしょうか?
小邑さん「標高1212mの御在所岳の山頂へとアクセスできる御在所ロープウエイは、麓と頂上近くの山の表情の違い、空に近づくような高さなど見どころ満載です。撮影する上では、天候が問題でした。紅葉の時季に合わせて撮影したのですが、頂上に向かって木々が色づくグラデーションにこだわりたかったので、霧やもやなどがかかって視界が悪いと台無し。晴れていても風の向きで、ガスがかかってしまうことも。自然を相手にするときには、天候を見極めながらの根気強さが必要です」

▲御在所ロープウエイのゴンドラからの眺め。新型ゴンドラは、頂上へと向かう景色の移ろいを楽しめるよう窓が大きく配されています。

▲新型ゴンドラは、床がスケルトンになっています。

小邑さん「また、山から突き出したような場所にある御在所岳の富士見岩展望台のシーンでは、地球の上に立っている!と実感できますよ(笑)。脈々たる山並みや麓に広がる街、海景色…頂上ならではの壮大な眺めです」

▲富士見岩展望台は、晴れて空気の澄んだ日には、遥かかなたに富士山が見えるそう。

◇最後にメッセージをお願いします。
小邑さん「360度VR動画は、見る方向によって全く表情が違うので、方向を変えたりしながら、2度、3度と見ていただきたいです。動画で疑似体験をした上で、実際に現地を自分の足で訪れ、目で、耳で、体でその素晴らしさを感じてもらえたらと思います」

何時間もかけて撮影したものを、見ごたえある2分間に凝縮したという2本の動画。どれも360度の全方位で見て楽しめるスポットなので、いろいろな方向から繰り返し動画をチェックしてみてくださいね。

(掲載情報は、すべて平成31年3月時点のものです)

<今回紹介した施設>
銚子川
住所:三重県北牟婁郡紀北町便ノ山
電話:0597-46-3115(紀北町商工観光課)
https://www.town.mie-kihoku.lg.jp/kanko_rekishi/kawayama/1360.html
キャンプ inn 海山
住所:三重県北牟婁郡紀北町便ノ山271
電話:0597-33-0077
http://camp-inn-miyama.com/
料金:カナディアンカヌーレンタル(親子4名まで、大人のみ3名まで) 1時間3,000円 ※3月下旬~12月中旬頃
馬越峠
住所:紀北町~尾鷲市
電話:0597-23-3784(東紀州地域振興公社紀北事務所)
http://www.kumanokodo-iseji.jp/
ナガシマスパーランド
住所:三重県桑名市長島町浦安333
電話:0594-45-1111
http://www.nagashima-onsen.co.jp/spaland/index.html/
営業時間:9:30~17:00 ※曜日、季節によって異なる
休園日:年2回メンテナンスのため休園あり
料金:<入場券>大人(中学生以上)1,600円、小学生1,000円、幼児(2歳以上)500円 <パスポート>大人(中学生以上)5,200円、小学生4,000円、幼児(2歳以上)2,400円、シニア(60歳以上)2,700円 ※15:00以降割引あり
御在所ロープウエイ
住所:三重県三重郡菰野町菰野8625
電話:059-392-2261
http://www.gozaisho.co.jp/
ロープウエイ営業時間: 4~11月=9:00~上り線終了17:00・下り線終了17:20/12~3月=9:00~上り線終了16:00・下り線終了16:20
観光リフト営業時間:4~11月=9:30~上り線終了16:40・下り線終了17:00/12~3月=9:30~上り線終了15:40・下り線終了16:00
ロープウエイ料金:中学生以上=往復2,400円・片道1,300円、4歳~小学生=往復1,200円・片道650円 ※4歳未満は無料
観光リフト料金:往復600円・片道300円

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