
三重県の北西部に位置する忍者で有名な伊賀市。この場所に世界中の人々が訪れる「伊賀流忍者博物館」があるのを知っていますか?さらに、その博物館には、日々鍛錬を行いながら活躍する忍者たちがいます。今回は、伊賀流忍術の伝統を受け継ぎ広める「伊賀忍者特殊軍団 阿修羅(あしゅら)」をご紹介します。
■満員御礼!大人気の忍術実演ショーがすごい
専用ステージでの阿修羅による大人気の忍術実演ショー。いろいろな忍具を使って行われる迫力満点のショーです。
会場は満席で、いろいろな国から訪れたたくさんのお客さんと一緒に開演を待ちます。
今回の出演はこの5名です。前列左から、虎徹(こてつ)・昌之助(まさのすけ)・知之助(とものすけ)。
後列左から、あづ紗(あづさ)・未央(みお)。この写真は、ショーの開演前に撮らせていただきました。
ショーが開演。まず登場したのは、昌之助さん。
必殺「真剣居合斬り」を披露。真剣さばきは一瞬の出来事!! まばたきは厳禁です。
次に登場したのは、虎徹さん。手に持っているのは手裏剣。1枚200gほどの重さだそうです。当時の忍者は重いからという理由で、普段は1、2枚しか持ち歩いていなかったのだとか。
その次は、くノ一(くのいち)のあづ紗さん。くノ一とは、女性の忍者のこと。
忍者は農民が多かったため、このように鎌を武器にすることも多かったそうです。
続いて登場したのは、知之助さん。足がかりの無い壁・崖などを登る時、人を生け捕りにした際にその体を縛る時に使うとされる「鉤縄術(かぎなわじゅつ)」を披露しました。
また、鎖鎌を器用に操り敵を捕らえる姿も格好良かったです!
笑いもあり、お客さんの心をがっちりと掴んでいました。
続いては、くノ一の未央さん。迫力のアクションをご覧ください!
敵の忍者の目をくらませ
懐に飛び込み、縄をつけ
ヒラリと舞い
締め上げる!
可愛らしい雰囲気からは想像できないくらいアクロバティックな演技でした。
やられ役の昌之助さんの迫真の演技にも注目。何度か敗北するシーンがあったのですが、そのたびに綺麗な白目を決めてくれました。
再び、知之助さん。忍者は、普段は大道芸をしながら情報を集めていたとのこと。知之助さんはこの傘回しで、シルク・ドゥ・ソレイユからスカウトされたことがあるそうです。すごいですね。
本格的な忍術が披露される阿修羅の実演ショー。案内に英語も加わり、会場が一体となって楽しむことができました。日によってショーの回数・時間は異なるため、事前にホームページをチェックしてから行ってくださいね。
■手裏剣体験であなたも忍者に!
ショーが終わると、ステージの隣の広場で手裏剣体験ができます。忍者みたいにかっこよく投げたいですよね!
スタッフに手裏剣の持ち方や投げ方のコツについて教えてもらえるので、初めての方でも安心。
忍者の衣装を着た子どもも体験。アドバイスをもとに「的をよーく狙って……」
―手裏剣は的の外へ― 「うーん、難しい!」
忍者への道のりは、まだまだ遠そうです。数々の手裏剣の刺さった跡をみると、いかに的に当てるのが難しいかが分かりますね。的の真ん中を目指してぜひ体験してみてください!
撮影に協力してくれた、忍者の衣装がかっこいいお子さんたち。近くにある、上野天神祭のだんじり3基を展示していて人気の「だんじり会館」で、衣装を借りてきたそうです。
伊賀市内には“忍者変身処”と呼ばれる衣装のレンタルができる場所があるので、お子さんだけではなく大人も、「もっと忍者気分を味わいたい」という方は忍者に変身してみてくださいね。
■阿修羅の忍者がご案内!仕掛けがいっぱいの忍者屋敷
こちらは、伊賀流忍者博物館の入口を入るとすぐにある忍者屋敷。ここでは、火薬の製造技術が敵のスパイに盗まれないように仕掛けられたからくりや罠の数々を、阿修羅の忍者やくノ一が案内してくれます。
忍者屋敷に入り、いよいよ忍者による案内。私の回は、生毛太郎(はげたろう)さんが担当でした。どのような仕掛けがなされているのか楽しみです!
こちらは、「どんでん返し」。少し力を加えると、扉が回転する仕組みになっていて、敵から身を隠すためにこのような仕掛けが使われていたそう。
見上げると天井近くにあったのが「見張り部屋」。その名の通り、敵の動向を見る部屋です。1階から2階へと続く階段は隠し階段になっており、この部屋にたどり着くのは至難の業です。
床の板は、外すと壺がでてきて、その中には巻物とお金が入っていました。忍者にとって大切なものを隠すために使われていた「もの隠し」という仕掛けです。
今回ご紹介したのは仕掛けの一部。この屋敷に、他にどんな仕掛けがあるのかは、行ってからのお楽しみ!
忍者屋敷を出てすぐに地下に向かって歩を進めると、忍術体験館があります。ここでは、伊賀忍者が伊賀上野城へ密かに潜入し、脱出するまでの様子を映像で見たり、忍者が作戦実行のために使った道具について学んだりすることができます。当時使われていた本物の手裏剣など、なんと400点以上の忍具が展示されているんですよ!
こちらは、忍者が泥沼の上を渡る時に履く「水蜘蛛(みずぐも)」。展示品の一部には水蜘蛛のように実際に体験できるものもあります。時間が許す限り、ぜひ体験して忍者の気分を味わってみてくださいね。
■「伊賀忍者特殊軍団 阿修羅」とは

改めて、「伊賀忍者特殊集団 阿修羅」をご紹介します。
阿修羅が設立されたのは、今から30年ほど前のこと。創始者であり、現在の伊賀忍者特殊軍団 阿修羅 頭領である半蔵(はんぞう)さんが、伊賀流忍術の伝承をしようと立ち上げました。
阿修羅という名前は、「かっこいいから」とつけたもので、「戦闘の神」という意味は何と後付けだったそうです。鋭い中にも、どこか親しみやすさが感じられる半蔵さん。多くの人に慕われていることもうなずけます。
阿修羅は、伊賀流忍者博物館では、平成元年に初めてショーを行いました。そして、現在まで国内外でのショーやイベント、舞台やテレビ出演などもあり、各方面で活躍しています。
忍術実演ショーや忍者屋敷の案内でお客さんを楽しませてくれた阿修羅の忍者たち。現在は、演者7名と修業者4名というメンバーで構成されており、演者の中も、さらに伝承者と役者に分けられています。伝承者と役者の違いは、知恵・技術・体力、これら全ての分野において高い水準に達したもののみ伝承者と呼ばれます。
伝承者になるには小さい頃からの訓練が必要で、最近は次世代を担う10代の人を積極的に採用し、日々訓練を行っているそうです。
15才~25才くらいのメンバーは随時募集しています。(詳しくはホームページをご覧ください。)
何か一つ、天才的にずば抜けたものを見つけてそれを伸ばすことが大切だと、半蔵さんはおっしゃっていました。さらなる高みを目指して、今日も忍者たちは切磋琢磨しています。
個性豊かな阿修羅のメンバー一人ひとりに注目してみてくださいね。
いかがでしたか?
伊賀流忍術の伝承者である阿修羅。忍術実演ショーではたくさんのお客さんと感動を共有することができました。
阿修羅は、その実績から「みえの国観光大使」の委嘱をうけ、さらに活躍の場を広げています。
皆さんも、伊賀流忍者博物館で忍者たちに会い、忍者の時代にタイプスリップしたような感覚を味わえる時間を楽しんでくださいね。
(掲載情報は、すべて令和元年9月時点のものです)
- <今回の取材先はこちら>
★伊賀忍者特殊軍団 阿修羅
HP: https://igaashura.wixsite.com/iga-ashura
★伊賀流忍者博物館
住所:伊賀市上野丸之内117 上野公園内
電話:0595-23-0311
営業時間:9:00〜17:00(入館受付は16:30で終了)
休館日:12/29〜1/1
入場料:大人(高校生以上)800円 [700円]、小人(4歳〜中学生)500円 [400円]
忍者ショー:1人 500円[400円]
※表示価格は、すべて税込
※料金の [ ] 内は20人以上の団体料金
★みえの国観光大使
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